相手が落ちこんでいるときに、あなたができること
わたしはいつでも、物事をよりよく解決したいと思っている、いわゆるおせっかいなタイプです。
誰かが傷ついたり、がっかりする前に、それをとめたいとも思っています。
ですが、それもなかなかままなりません。
わたしの夫の場合は、不満の大半は、職場や仕事に関することですが、わたしはそれをどうすることもできません。
わたしにできることは、彼の愚痴を聞いて、彼の気持ちを正当化してあげることだけです。
職を失った人に対して、「心配することないわ。あなただったら、すぐに次の仕事だって見つかるはずよ」といったところで、ありがたみなど感じられません。
あるいは、「これは、 あなたにとってよかったことかもしれないわ。捨てる神あれば拾う神あり、というじゃない」なんていったら、不謹慎きわまりないことです。
誰もその人の恐怖心やその失態に対する痛みなど、わかるはずはないのですから。
自分より不幸な人を探そうと思えば、それこそキりがないでしょう。
そんな慰めは好きな人からすると、嫌なだげです。
人が陥っている不幸な気持ちやその状況のために、あなたやわたしができることといったら、「愚痴」を聞いてあげることだけ。
ほかにできることは、何もないのです。
最高のカウンセラーになってあげましょう
精神科医に高いお金が支払われる理由は、彼らが患者たちの気持ちを認めてあげる方法を知っているからです。
友人の精神科医は、どんな患者にも、まず相手の気持ちを表現させて、その気持ちを理解していることを知らしめるのが、自分の役割であるといいます。
患者の抱えている悩みを聞き、その気持ちを正当化する。
と同時に、ティッシュの箱を用意して、いつでも手が伸ばせるところに置いておくのだそうです。
どうして、こんな単なる「話し相手」のような役を精神科医がするのかというと、人というのは意外と、話を聞いてくれる人が周囲にいないからです。
ですから、親や友だちや結婚相手、その役割を分かちあえば、精神科医の必要性も減少し、その数もずいぶん減ることでしょう。
誰かを救ってあげるために、100パーセント相手に同意する必要はありません。
ただ、その気持ちをわかってあげようとしてください。
人間なら誰でも、心のなかにはなんらかの恐怖心が潜んでいることを忘れないでください。
また、外見的な悩みや老化に対する悩みは、女性だけが悩むものではありません。
男性だって、老いる恐怖、肉体的魅力がなくなる恐怖、そしてまた性能力やお金を失う恐怖だってあります。
コンプレックスに悩む人もいることでしょう。
あなたの好きな人が、自分の恐怖を口にするほど勇気のある人ならば、その話をよく聞き、一緒に悩んであげましょう。
そして、あなたは何があろうと好きな人味方であり、いつでも信じていることを示してあげましょう。
相手の話を聞き、けっして相手を批判しないことです。
実際その相手の立場になってみなければ、人は誰も相手を批判などできないものです。
わたしは、「夫の精神が不安定で」という相談を受けると、「あなたが力になってあげればいいのよ。彼の側にいてあげなさい」と、答えるようにしています。
それが、お金をかけて得られる最高のセラピーと同じくらい効力を発揮します。
好きな人や友だちが何か悲劇に直面したとき、わたしたちはその人を元気づけようと、思いをめぐらせます。
その方法は、どういうものかわかりますか?
本当は言葉など何も必要ないのです。
せめてあなたがしてあげられることは、その人の側にいてあげることでしょう。
力になってあげるということは、別に頭がよかったり、言葉に長けている必要はないのです。
ただ、人の話を聞いてあげるという技さえわかっていればいいのです。
そして、あなたが相手の気持ちを理解して、いつでも側にいるということをわからせてあげることです。
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