いつも待ち合わせに遅れる彼とのつきあい方
僕は、デートの時聞にはわざと一時間ほど遅れていくようにしている。
と語していた男がいた。
なぜ、そんなことをするのかというと…
女というのは、待っている時間のあいだに、わたしはあの人に支配されているんだという心境になってくるものなんだ。
つまり、自然とこっちが優位に立っていくんだよ。
それを逆に、いつも定刻どおりに駆けつげるような男は、いつまでたっても女性に頭が上がらなくなる。
女なんて、ちょっと待たせるくらいがいいんだよ。
なんとも自信たっぷりであった。
昔の剣豪・宮本武蔵が、厳流島の決闘のときに、わざと遅れて心理的に優位に立ったというエピソードを思わせる高等戦術である。
だが、一時間も待たせれば当然、女性の機嫌が悪くなるというリスクもともなうのだから、よほど自分に自信のある男でなければできないことだろう。
ここまで極端ではないにせよ、ほんの少しなら、わざと遅れるという男は、結構多いかも知れない。
あまりに時間どおりにいくというのも、なんだかJRの電車みたいで味わいがない。
いかにも、会いたくてたまりませんでしたという気持ちをさらけ出すようで恥ずかしい。
それよりは、少し遅れるくらいの方が、こっちにも余裕はありますよという感じだし、遅れそうになるのを必死で駆けつけてきたという芝居もできるかも知れない。
ところが、こういうときに限って、相手の女性はそれよりも遅れできたりするのだが。
気持ちに余裕をつくりましょう
こんなふうに、デートの待ち合わせのわずかなずれについて、いろいろと思いをめぐらすのも、恋愛の醍醐味なのだろう。
ところが、なかにはそのことに真剣になりすぎる女性もいる。
「遅れてくるのは、わたしとのデートなんて、どうでもいいと思ってるからでしょ」と、いきりたってしまうのである。
そもそも、デートの約束をしたからには、どうでもいいなんて思っているわけがないのである。
だが、真面目すぎる女性の場合、「時聞を守ることも誠実さの証」 と思いこんでしまうらしい。
これはやはり、気持ちに余裕がなさすぎるだろう。
恋愛というのは、ひたむきすぎても、相手は疲れてしまうものである。
たとえ自分の心はひたむきでも、それを相手にまで求めすぎてしまっては、ひどく居心地の悪い関係になってしまう。
待たないやさしさもある
わたしの知り合いで、ある賢明な女性は、「相手が遅れるというときは、待たないで帰ってしまう」という。
もちろん、黙って帰ってしまうわけではない。
遅れそうだという電話が入ったときに、そう告げるのである。
なぜ、そんなことをするのかというと…
待たせている男の人にも、申し訳ないという気持ちがあるでしょう。
それでもずっと待たせておくというのは心苦しいものだと思うんです。
そんなときに『じゃあ、待ってるから、絶対きてよ』なんて言ったりしたら、こっちは気がかりだわ、焦ってしまうためますます仕事は進まないわで、へとへとになってしまったりするでしょ。
と、ちゃんと、相手の男性の気持ちを考えてあげているのだ。
さらに、彼女はこんなふうに推測する。
「こういうことが二度、三度重なろうものなら、デートそのものまでうっとうしくなってしまったりもするんじゃないかしら」
たしかにそのとおりで、いつも遅れてはいけないとプレッシャーに苛まれるようなデートは、あまり楽しくもないだろう。
「だから、その男性と今後もつきあいたいと思うなら、こういうときは『じゃあ、日をあらためようか。あたしは買い物でもして帰るから』と、ちょっと冷たい感じで言ってあげるんです」
そうすると、男としては、「これで嫌われたら大変だ…」と、ますますこちらを追いかけてきたりするのだという。
もちろん、次に会ったときは、おわびのしるしに御馳走をはりこんでくれたり、プレゼントを用意してくれたりもするそうだ。
ちょっと怖いくらいに、男性心理を知り尽くしたやり方ではないだろうか。
それでも、不機嫌な顔で待ちつづけられるよりはずっといい。
怖い顔をした相手のところに出向くときなど、まだ結婚もしていないのに、怖い奥さんのもとに帰っていく情けない亭主の気分になったりするのである。
それならば、さっさと帰ってもらってしまった方が、苛立ちやプレッシャーからは解放される。
しかも、相手に対する情熱は失われることはない。
こんなふうに、遅れた彼氏を待つときの態度ひとつで、相手の男の気持ちはずいぶんとちがってくるものなのである。
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